■読み下し文
「これ、三や、炭取りの中で
なにか、鳥でも鳴くやうな
声がするかなんだへ?」
「いへゑ、これは炭へ熱い
お茶をうけました故、
ヒイ、ことことと、
鳴きますのさ。
「ヲヤ、お馬(うま)
じやあるまいし、
「それでもさぞすみは怒る
と、撥ねますものを、「ホ、
それじや、とりづくしの
縁がない
ノウ。「さやうでござい
ました。それ
では、ここへ来れば、景物を
半分取りといたしませう。
▲△○→段落の繋がり方を示す記号
*→判別できない文字
■大江戸瓦版■
江戸の暖房について
江戸時代は長期気候変動の上では寒冷期にあり、温暖化しつつある現代よりもかなり寒かったと思われる。
火鉢には、金属製・木製・陶製があり、形によって丸火鉢、 角火鉢、長火鉢、提げ火鉢があった。
町家では木枠の長火鉢がよく使われていた。長火鉢には片側に猫板を渡してその上に鉄瓶やチロリ(酒燗の容器)や茶器を置き、下には引き出しがついていた。
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