■読み下し文
「アレサ、一つお掛けなさいと
言ふに、お嫌なら、わちきが
すけまさ。ねヱ、なんでいす▲
スルメのつけやきでは、酒は
飲めないとおいひる。いまに
お絆ができますよ。
す*く酒にするには、しな
よく止まるといひまさね。ホ…
とんでもない地口が
できましたヨ。ヲヤ、お肴
をくださるのかへ。それじゃ
すぐに嘴で
受け取つて
鵜呑みをしませう。
▲△○→段落の繋がり方を示す記号
*→判別できない文字
■大江戸瓦版■
江戸の酒事情について
上方からの「下り物」は時代が進むにつれて評価が下がったが、酒だけは別格だった。江戸で消費される酒は大部分が上方から船で運ばれてきた「下り酒」。幕末には、下り酒:江戸の酒=90万樽:10万樽であった。
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