新板世界最強双六蒐集家飛廻取材寿語録

■取材後記

●大阪箕面に日本が誇る「世界遺産」を見た!
● その世界遺産を「山本双六天」という仏さんがしっかり守っておらっしゃる!

山本先生が双六に注ぐ愛情と蒐集にかける情熱は、とにかく凄まじいものでした。まさに「キング オブ スゴロキアンズ」です。以下に先生の「双六命」の情念の焔(ほむら)の一端をご紹介します。これらはすべて山本先生が実践なさっていることなのです。

・ 正月元旦の地方紙をすべて集め、丹念にチェックし、「双六」を発見する。

・ 歳の暮れに発売される少年少女雑誌などあらゆる雑誌・漫画の表紙や目次に目を通し、「双六」の付録を見逃さない。

・ 双六と名のつくコンピュータゲームをすべて集める。

・ 大阪の医師会の配付用ポスターを自ら筆をとって、双六仕立てで制作する。さらに、そのコマの1つに製薬会社のタイアップ広告を載せる。テレカにも複製する。 (→写真1)

・ 自ら筆をとって、大判の「漢方九十六種薬草双六」を作成する。

・ 有名な京都の御所人形作家西井氏に「双六で遊ぶわらべ」を特注する。

・ 幻の「村枩(むらまつ)物語」の中に見出した「盤雙六遊び」の絵を写真に撮って、記念のオリジナルテレカを制作する。 (→写真2)

・ インダス文明、中国文明の出土品や石碑の中に双六やサイコロを発見し、あらゆる対外交渉の末に、コレクションに加える。

・ 双六を保存するための専用のセロファン袋をサイズに合わせて近所の工場に特注する。

・ 美術工芸品でもある古い双六盤を50台以上も保有する。

・ 5300枚の双六の記録を克明につけ、特注の大型整理棚に分類保存する。

・ 自宅に一室に双六資料館(翔奉庵)を建築する。

・ 「JRの電車の中吊りで双六の広告を見た」という情報から、制作者を発見して交渉し、入手する。

・ 双六に関する本を出版する。それも2冊。


1.大阪医師会の双六仕立てのポスター
テレカに複製したもの)


2.幻の「村枩(むらまつ)物語」
記念のオリジナルテレカ

・・・皆さん、こんなことができますか?すべてご家族の深い理解を得てのことだということも頭が下がります。本当に感服しました。わざわざ汐の香漂う東京の築地くんだりから、聖地箕面にお参りした甲斐がありました。そういう意味で、翔奉庵コレクションは世界遺産であり、それを守る山本先生は「双六天」なのです。先生は、人間的にも本当に素晴らしい方でありました。今回の取材を機会に、あらためて双六の世界の奥深さを認識した次第です。私は、遥かな「上がり」を目指して、やっと「振り出し」に立ったばかりであることに気づきました。

本サイトをご覧になった皆さんによって、スゴロキアンの輪がますます広がっていくことを心より念じております。
そして、山本先生、いつまでもいつまでもお元気で!

――翔奉庵にて

さやさやと 滝風に鳴る 楓かな

墨版の 武者荒ぶれる 節句かな

箕面より 世界を望む 双六天    

絹よりも 古き道より 賽来たる    

数千の 双六眺め 時止まる

(文責:築地双六館館長 吉田修)

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