新板世界最強双六蒐集家飛廻取材寿語録

■ 「振り出し」は大阪の箕面

 2002年4月28日。ついに双六界世界最強のコレクター山本正勝先生にお会いする日が来ました。場所は大阪の閑静な住宅地、箕面(みのお)です。

 箕面の名物って知っていますか?何と「紅葉の天ぷら」なのです。駅前通りの軒先で紅葉の若葉を揚げているお店が数軒ありました。新緑の眩しい薫風の箕面駅で先生とお会いすることになりました。約束の14時に先生にお迎えいただき、歩いて5分のご自宅に向かいました。


山本先生宅の門前で記念のツーショット。ご子息に撮っていただきました。

■ 蒐集の動機は「双六へのいとおしさ」

 先生のプロフィルにもある通り、最初に先生が双六に出会ったのは、大学の医局に勤めていた昭和38年12月だそうです。その時の様子を以下のように語っていただけました。

「京都の古書店で、いつものように浮世絵版画を見ていたのですが、その傍らのダンボール箱に古い錦絵や引札おもちゃ絵が40〜50枚無造作に売リ出されていました。1枚千円か2千円くらいでしたでしょうか。その中に江戸時代の墨刷りの木版画である絵双六がありました。絵師の名も摺師の名もなく版元だけがあるだけでしたが、これほど美しく、図柄として面白いものはないと思いました。
  しかし、当時、絵双六は浮世絵からみれば異端であり、子供の遊び道具程度にしか評価されていませんでした。それは絵双六にとって本当にかわいそうなことです。身体の奥の方から絵双六への「いとおしさ」が込みあがってきたことを今でも覚えています。このことがコレクションのきっかけになりました。」

・・・・・懐かしい双六との熱い出会いを思い出す先生。その日の感激は、筆者にもひしひしと伝わってきました。


特大版の「官職補任雙六」を広げる先生

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