制作 「少年世界」新年大附録案:巌谷小波 画:竹坡国観発行:博文館
/ サイズ(cm) 縦54×横78
「開国」という言葉が新鮮で、激動の時代情況と歴史のパワーとを感じる双六。
26コマ中11コマは戦争・内戦絡みである。「ペルリ来航」で振出し、日露戦争の「論功行賞」で上り。生麦事件(*)を「江戸幕府滅亡」とテーマ付けをしているのが面白い。幕末〜明治時代の主だった事件が時系列で収録されており、下手な教科書より歴史をビジュアルにかつ出来事の因果関係を含めて理解しやすい。
*生麦事件・・・1862年、薩摩藩主島津久光が勅使を護衛して江戸から京都へ帰る途中、横浜郊外の生麦村で、行列の前方を横切ったイギリス人4名に危害を加えた事件。イギリス公使は薩摩藩に2万5000ポンド、幕府に10万ポンドの賠償金を要求し、犯人の処刑を迫った。幕府はこの要求に応じたが、薩摩藩はこれを拒絶、これが原因で翌年、薩英戦争が起こった。幕府は、雄藩の管理能力を失い、その権威の失墜を示す事件でもあった。
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