2.買い物双六(デパートメントストーア)  1914年 (大正3年)
制作 案:星野水裏 画:川端龍子 印刷:秀英舎印刷 / 少女の友 1月号(実業之日本社)
 / サイズ(cm)  縦81×横55


 川端龍子は、日本画家としての名声を得た後も、多くの双六を 制作している。それも軍国的なものから庶民的な風俗画まで幅広い。
この双六は、比較的珍しい縦型である。当時最先端の商業施設であったデパートの建物を模したものであろう。エレベーターも完備している。
振出しは、エンタシスの円柱のある豪華なギリシャ建築風の入口で大勢の子女が訪れている。「赤い敷物を通つてお出なさい」という言葉に導かれ、緋毛氈を歩いて、貴金属、化粧品、呉服、洋傘、写真、食堂、玩具、余興室(小劇場)等をショッピングできる。屋上(6F)には、動物園と植物園と屋上庭園がある。
女性は、日本髪に訪問着、男性はオーバーコートに帽子の出で立ちである。双六のデザインも洗練されており、東京でのお洒落な暮らし振りに地方の大人も子供も憧れを持って見ていたことだろう。