13.実用お料理献立漫画双六   1926年 (大正15年)
制作 案:編集部 画:富本斥夫 / 婦人世界 新年特別付録(実業之日本社)/ サイズ(cm)  縦55×横80

 1年間の献立を双六に仕立てたこの双六が私は大好きである。
情報量の多さ、季節性、時代性、庶民性、ユーモア、わかりやすい画・・・面白い双六の要素がつまっている。1月から12月の、日曜日から土曜日の、朝・昼・夕の献立、つまり12×7×3=252種類の献立(=コマ数)がびっしり書き込まれている。
以下に各月のある日の献立を挙げてみる。

・1月 
【朝】葱の味噌汁、昆布の佃煮 【昼】うどんの煮込み、福神漬け 【夕】ライスカレー、若布と独活の酢味噌
・2月
【朝】八杯豆腐、海苔の佃煮 【昼】薩摩芋の吉野煮 【夕】鱈昆布の味噌汁、竹輪と蓮根のうま煮
・3月
【朝】薩摩芋の味噌汁、嫁菜の浸し物 【昼】ぜんまいと油揚の煮付 【夕】豚のキャベツ巻、湯豆腐
・4月
【朝】葱の味噌汁、三つ葉の浸し物 【昼】蕨とがんもどきのうま煮 【夕】海苔巻きずし、からあさりの汁
・5月
【朝】キャベツの味噌汁、納豆 【昼】牛蒡とちぎり蒟蒻の煮付 【夕】このしろの魚田、人参大根の酢和
・6月
【朝】摘菜の味噌汁、煎玉子 【昼】あんかけ豆腐、若布と独活の酢味噌 【夕】牛のスチュー、シラス干とトロロ昆布の汁、浸物
・7月
【朝】南瓜の味噌汁、昆布の佃煮 【昼】冷やざうめん 【夕】柳川鍋 隠元の胡麻和
・8月
【朝】蜆汁、新牛蒡の佃煮 【昼】がんもどきの煮付 【夕】茄子の鴫焼、葱と魚のぬた
・9月
【朝】ほうれん草の味噌汁、糸蒟蒻の煮付 【昼】ずいき和 【夕】栗飯、ちらし玉子
・10月
【朝】焼海苔、てっか味噌 【昼】松茸飯、八杯豆腐 【夕】刺身、人参と蒟蒻の白和
・11月
【朝】馬鈴薯の味噌汁、蛤の時雨煮 【昼】八つ頭の煮付 【夕】キャベツと豚の煮込、隠元豆
・12月
【朝】豆腐の味噌汁、大根卸し 【昼】饂飩の煮込み 【夕】コロッケ サラド