7.勧善懲悪終身せき六出世之礎 明治31年 1898年 |
制作 編集:廣川常三郎(新潟県) 版元 今成温平(東京市)/ サイズ(cm) 縦78×横55 いかにも明治時代の出世双六。メリハリ効きすぎ! 欄外にある七五調の人生訓に明治色がある。「人の身の浮も沈も只一ツ 心の駒の行き加減 一度び邪道に陥らば 容易に外へ出で難し 心したまへ世の人を翁令慈ふ世の中の酸も甘も嘗(な)め尽し事實に附合うする様を 勧善懲悪を基本とし 森羅万象を此の一紙に 書き連ね歳を重ねし人達も 青年諸子と諸共に 善く嚼みしめて味わへば 浮世の怒涛漕ぎ易からん」 振り出しは、「小学校」。上がりは「福徳円満」。画面の右半分は「勉強」「工場設立」「蓄財」「大学卒業」「博士」「大発明」など善のコマ群である。「業務選択」というコマがあり、占い師に占ってもらっているのが面白い。左半分は「退校」「放蕩」「懲役」「病勢増進」「自殺」「死刑宣言」「破産宣言」など悪のコマ群である。 |