3.新板出世雙六(富山藩)(しぱんしゅっせすごろく)江戸時代 文久3年 (1863年)
制作 中嶋郁衛 / サイズ(cm)  縦57×横47

龍馬と同時代の武士の出世双六
 振出しは新番。各奉行、年寄等を経て御用番で上りの武士の出世双六。全て黒文字墨版の武家の出世双六。ご注目いただきたいのは文久3年(1963年)という時代だ。坂本龍馬が海舟塾の塾頭となり、大活躍を始める年。有名な「日本を今一度せんたくいたし申候」という手紙を姉の乙女に送ったのもこの年である。この双六は、出世双六であるが、武士が作ったのではないと思われる。身分制度の厳しい時代に、面白半分で平の新番武士から城代や御用番への出世双六は作れない。商人である版元が売れると判断して作ったものと思われる。なお、この双六はよく見れば、「小松」「石動(いするぎ)」「魚津」という地名のコマがあり、富山藩の双六であることがわかる。