1.奥勤楽寿ご六(おくづとめ たのしみすごろく)江戸時代 弘化4年~嘉永5年頃 1847~1852年
制作歌川芳宗(初代)/画 万亭應賀/案 / サイズ(cm)  縦49×横69

大奥勤めキャリアウーマンの暮らしとは?
 大奥に勤めた女性の楽しみを描いた双六。 江戸城の大奥には、最盛期で1,000人とも3,000人ともいわれる奥女中がいたといわれる。大奥は厳しい身分社会なので、大部屋住まいの奥女中にはプライベートの時間もなく、ストレスが多かったと思われる。このような双六の中に、「楽しみ」を見出したのだろう。上品なコマとちょっと下品なコマを織り混ぜているのが面白い。
 その最も下世話なものは右下の隅に表わされている「しりふり踊り」である。「わが竹さんしりふりおどりハ、わたしが一ばんじやうだよ」と。楽しみのコマには、茶坊主、双六、鳥さし(鳥もちで鳥を捕ること)、福びき、歌かるたなどが含まれる。上がりは、最上段にあります。狂言師を大奥に招いて花見の大宴会。外に出て羽目を外して花見をすることができなかったので、夢や憧れになったのだろう。