《鳥盡初音寿語六(とりつくしはつねすごろく)読み下し講座》
判とり
読み下し文
「モシ、番頭さん、あきの方から初荷を積み込みやしたから、どうぞ、お改めなすつてから、
一眼鳥(いちがんてう)をお渡しください。まとやは即ち鳥目(ちゃうもく)の洒落でございます。イヤ鳥
目の見るところ、この荷の重いには困りやした。▲
車力(しゃりき)にばかりなるものじゃございません。内外の車が廻りやせんには、困りやす。
▲△○→段落の繋がりを表す記号 *→判別できない文字
大江戸瓦版
江戸の運輸事情について
荷物の運搬には、牛車、大八車、天秤棒(ぼてふり)などが利用された。幕府は軍事上の理由から市中の車の使用を厳しく制限したため、牛車、大八車も登録制だった。「判とり」とは判取り伝票のことで、荷物の配達証明書になる。