《鳥盡初音寿語六(とりつくしはつねすごろく)読み下し講座》
客とり
読み下し文
「ヲヤ、鶴(つる)さん、誠にお久し振り。鳩ぽつぽでおまめかへ、ホ…
「ヘン、おつを言ふおとりさんだノウ。おいらは四十からと歳は取っても、とりづくしよりおめへに心づくしときてゐるぜ。
こふものじゃねへが、番に出掛けてくる気はねへか。
「アレサ、そんなられしがらせをおいひだろう。ふくろここにあらずでお茶をごぼしましたヨホ……
▲△○→段落の繋がりを表す記号 *→判別できない文字
大江戸瓦版
遊女の客とりの手練手管にについて
吉原という所は嘘で成り立っている。
遊女は何人もの客に「主(ぬし)に惚れんした」と言わなければ、客は二度と来ない。いい旦那になると目星をつければ、愛を誓う起請文(きしょうもん)を書いたり、小指を切ったり、男の名前を腕に彫ったりして誠意の証を演出する。
起請文は牛王宝印(ごおうほういん)などと書いた厄除けの護符に、神仏に誓って自分の愛に偽りが無いと記したもので、それを客に渡したり、目の前で呑み込んだりしたという。
ただし、遊女の場合は職業柄、75枚までは約束を守らなくても神仏に許されたとか?!