鳥盡初音寿語六(とりつくしはつねすごろく)読み下し講座

ひとり

一、しゃくとり
二、きゃくとり
三、ぽつとり
読み下し文

「イヤモウ、世の中に、一人ものほどつまらねへものはねへ。
ヲヤ、午時(ここのつ)がして、とりが鳴く。あれも雌鳥すぎて、雄鶏の時を告ぐるのだ。
おいらは住める雌鳥がないから、雄鶏ばかりで時を告ぐらふか。
イヤ、時を告ぐるよりは、はらを作ってきた▲
らかれがらずと出掛けやう。
▲△○→段落の繋がりを表す記号 *→判別できない文字

大江戸瓦版

江戸独身事情について
江戸は各藩の武士や職人・商人が集中する完全な男社会で、独身者がごろごろしていた。武士の次男、三男ともなればいい養子の口があれば飛びついたものである。一生部屋住みとして、跡取りである長男の世話になるのはつらいものだった。