特別展①<絵双六に見る職業観の変遷>(2014年3月)

(江戸~平成 時代それぞれのキャリアの磨き方)

■仕事と双六の密接な関係について
日本の最初の絵双六は、13世紀後半頃天台宗の新米の僧に仏法の名目を 遊びながら学ばせるために考案された仏法双六だと言われています。
 現代においても就職活動双六が多くの学生や求職者によって作成されています。 「職業・仕事・出世」は、双六の最も重要なジャンルの一つです。
 ここでは、江戸、明治、大正、昭和、平成のおよそ160年にわたる時代の中で、 職業観・仕事観・出世観の変遷を見事に表現している25枚の双六を取り上げました。(2014.3)

*大正ロマン双六の概要については、「双六の歴史と文化」のなかの「大正ロマンと絵双六」をご覧ください。

お目見え→お花見→歌かるた→狂言師と大宴会
奥勤楽寿ご六(おくづとめ たのしみすごろく) 
江戸時代 弘化4年~嘉永5年頃 (1847~1852年)
西宮えびす大市→お風呂屋→大店のにぎわい
新版商売往来諸職大宝飛廻双六(しんぱんしょうばいおうらいしょしょくたいほうとびまわりすごろく) 
江戸時代(安政年間)
新番→御勝手方→寄合→御用番
新板出世雙六(富山藩)(しんぱんしゅっせすごろく)
文久3年
停任→少納言→中官大夫→執柄
官位双六
江戸時代
文官武官試験場→大学長→枢密院議長→内閣総理大臣
新案官職補任雙陸
明治21年(1888年)
出世のはじめ小学生徒→新聞記者→奥様→全権公使→陸軍大将山縣候 同婦人
男女教育双六
明治29年
小学生徒→業務(職業)選択→父子離別 破産→蓄財 博士→福徳円満
勧善懲悪終身せき六出世之礎
明治31年(1898年)
誕生→洋行→名誉→最期→馬車出勤
出世須悟録
明治32年(1899年)
朝起き→裁縫→復習 褒賞→一家団欒
家庭雙六
明治37年(1904年)
10令嬢→女教師→看護婦 芸者→貴婦人
新案婦人風俗雙
明治38年(1905年)
11男の部 女の部→女子判任官→舞踏会→出世
新案雙六当世二筋道
明治40年(1907年)
12奉公→辛抱→酒→事務員・賞与→独立商店開業披露園遊会
實業少年出世雙六
明治41年(1908年)
13出産→あみもの→春もの売り出し→お料理→嫁入り
令嬢成長双六
明治43年(1910年)
14授乳→老人をいたわる→妹や弟の世話→趣味を養う→嫁入り支度
家庭教育雙六
大正4年(1915年)
15手腕の人→果断→収賄→耽溺→抜擢 実直の人→投機→信用→破産→貯蓄→上がり 福徳円満
時事漫画現代出世双六
大正11年(1922年)
16学校時代→美容術師・女博士・飛行家・タイピスト・女医・音楽家・運動家・先生・女車掌
少女運だめし双六
大正15年(1926年)
17愛国少女団・愛国処女団→軍事保護→失業並びに経済保護・職業紹介所→出征軍隊歓送迎→本部総会
愛国婦人双六
昭和9年(1934年)
18誕生→画家・学者・書家→恋愛→農家→団欒・手習い
新案源氏香女の一生双六 
昭和12年(1937年)
19歩哨→海の護り→衛生隊→戦車隊→敵前上陸→万歳
へいたいさん双六 
昭和15年(1940年)
20それぞれの夢→荷造りからやらされた→夜遅くまで勉強→教育者は自分自身正しい道を歩かねばならぬ→上がり
人生競争双六 
昭和25年(1950年)
21就職ジャーナル→インターネットのホームページを見てみる→ベンチャーもいいかもと思いはじめる→毎日が説明会 →正式内定
完全シミュレーション 就職活動すごろく
平成9年(1997年)
22会社設立を決意→コピー&FAXのリース→登記簿謄本申請→従業員を雇用→会社設立
会社設立すごろく
平成14年(2002年)
23大学卒業→新卒無業 アルバイト→紹介予定派遣→有償ボランティア→キャリアブレイクで資格取得→就業百態到る処人間あり
平成版諸職就業形態多様化双六(しょしょくしゅうぎょうけいたいたようかすごろく)
平成16年(2004年)
24学校卒業→NEAT→BP大学院入学→年収300万で暮らす→国家プロジェクトに抜擢される→上がり
2005年プロフェショナル時代の到来専門職業飛廻寿語録
(クールジャパン・ビジネスプロフェショナルとびまわりすごろく)

平成17年(2005年)
25農業探検→ホタル→ため池→水路→安来節→大豊作→ゴール
しまねの農業農村整備すごろく
平成19年(2007年)