絵双六についての新刊本のお知らせ


絵双六についての新刊本が発行されました。全国のスゴロキアンに是非紹介したいと思います!

幕末・明治の絵双六

加藤 康子 (著), 松村 倫子 (著) 国書刊行会 ; ISBN: 4336041881

定価は、20,000円と高価ですが、永久保存版の図版入り大判美術書なので将来にわたって家族で楽しめます。学校や地域の図書館で購入希望図書としてオーダーしてみるのもいいでしょう。

<著者である加藤康子先生からのメールをいただきました>

双六ねっと御中
 以前、メールをお送りいたしました加藤康子です。その節はお返事をありがとうご ざいました。拙著(共著)『幕末・明治の絵双六』はお手元に届きましたでしょう か。山本正勝先生からも皆様の熱心な収集のことなど伺いました。目の肥えておられる皆様にはお目だるい内容かと存じますが、ご感想やご批判などお教えいただければ有り難く存じます。有名な貴ホームページで私たちの拙著をご紹介いただければ、誠に有り難く存じます。よろしくお願いいたします。ますますのご発展を祈念いたします。 4.13 加藤康子

<館長の読後感>

121のドラマがぎゅっと詰まった「絵双六テーマパーク」の公式ガイドブックです! 121枚もの絵双六がカラーで紹介され、それぞれに詳細な解説がなされています。これほどの内容のものは、これまでありません。絵双六研究及び幕末と明治の庶民史研究において画期的な本だと思います。今、この時点で本として世に発表された意義は、とても 大きなものがあり、後世にますますその価値が評価されることでしょう。

 

 著者は、各図書館・博物館に協力を求められ、図版撮影にも細心の注意を払っておられることや山本正勝先生をはじめする多くの専門家の助言を得ておられるなどに大変感心しました。つまり、日ごろの研究の成果を形にするために、多くの方を巻き込んでいくいわゆる「プロデュース力」が遺憾なく発揮されています。そして、その「プロデュース力」は、お二人の絵双六への情熱と誠実な研究姿勢によって裏打ちされていることがこの本を読んでいけば自然にわかってきます。

 私は絵双六の特徴は、「ドラマ展開の一覧性」にあると思います。人生の起伏や諸国の多様性を一枚の絵にぎゅっと凝縮し、テーマに対するある種の観念やイメージを読者に強く訴求してきます。具体的な各論を語るそれぞれのコマとそれらのコマのモザイクを集めて出来上がる言葉と絵画のアート・・・ちょうどアラベスクのような煌めきを放っています。 コマを読み解き、時代や世相の連関を推理し、作者の意図を探る・・・お二人のとってもしんどいけれど、とっても楽しい執筆風景が目に浮かびます。 私のコレクションも提供すれば良かったなと思ったりしています。最近私はこの本を、枕頭において、それぞれの時代や人物を想像しながら眠りについています。

*奇しくも著者のお二人と私は同い年(1954年生まれ)でありました!

 


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